アメリカの大学に留学したいけれどもお金がかかる、かといって奨学金をもらうのもむずかしい。そんな理由で留学をあきらめている人はいませんか?

じつは留学生でも、奨学金を得て大学に留学することは可能です。しかもアメリカの大学からもらえる奨学金は、返済不要のもの(給付型)です。

このページでは、日本人が奨学金をもらって大学に留学するための方法を詳しく解説します。ぜひ参考にしてください!

もくじ
1.留学生でも奨学金をもらえるのか?

2.日本で申請できる奨学金
 2-1.海外留学支援制度(日本学生支援機構)
 2-2.グルー・バンクロフト基金
 2-3.柳井正財団海外奨学金プログラム
 2-4.内村鑑三スカラシップ
 2-5.フリーマン奨学金

3.アメリカの大学が支給する奨学金
 3-1.メリット型奨学金
 3-2.ニード型奨学金
 3-3.在学生に与えられる奨学金
 3-3.留学生だけに与えられる奨学金

4.留学生が返済不要の奨学金を得るために
 4-1.大学に「来てほしい!」と思ってもらおう
 4-2.奨学金を出してくれそうな大学を選ぼう
 4-3.奨学金の額を「交渉」してみよう

5.留学生が狙うべき奨学金は、「貸与型」ではなく「給付型」

6.まとめ

1.留学生でも奨学金をもらえるのか?

アメリカでは大学の学費が値上がりを続けています。アメリカ人の学生にとって、いまや奨学金を抜きにして大学進学を考えることはむずかしくなっています。

アメリカには、数々の奨学金制度があり、かなり複雑な手続や条件がある場合も少なくありません。しかし、たとえばハーバード大学の学生の約7割がなんらかの奨学金を得ているように、奨学金そのものはとても身近な存在です。

日本人学生であっても、アメリカの各大学から奨学金を得られます。しかもその奨学金は、返済不要の給付型のものです。

また日本で申請できる奨学金もあります。とくに海外留学をめざす人に支給される奨学金も、貸与型・給付型ともに各種あって、さまざまです。

以下、
・日本で申請できる奨学金
・アメリカの大学から得られる奨学金
それぞれについて具体的に説明していきましょう。

2.日本で申請できる奨学金

まずは、留学を志す人が日本で申請できる奨学金制度を紹介します。

日本の政府や財団、自治体などが、海外留学を志す人のためにさまざまな奨学金制度を設けています。いずれも志願する人が応募し、審査を受けて、合格したら支給されるもので、制度によって応募条件や支給対象者、募集人数や支給額などはさまざまです。

貸与型のものと給付型のものがあり、支援の対象となる留学先の国や留学の種類(短期留学、学部留学、大学院留学、ホームステイなど)、支援期間なども制度によって異なります。

審査は、書類審査プラス面接というのが一般的です。書類においては、
・在学校の成績
・英語力(TOEFL®テストやIELTS™などのスコア)
・作文(志望動機や将来の希望など)
・推薦状
などが評価されます。所得の条件がついたり、日本国籍であることが問われたりする場合もあります。

日本の奨学金制度を利用する場合に気をつけたいのが、応募の締切が早いこと。留学を思い立ったらすでに募集終了していた、なんてこともあります。できるだけ早い段階での情報収集と準備が大切です。また語学力が審査において大きなウェイトを占めるので、英語テストのスコアアップにもしっかり力を入れましょう。

以下に、アメリカの大学へ留学する人を対象とした、日本で申請できる奨学金のおもだったものを紹介します(詳しい募集要項などは公式サイトをご確認ください)。

2-1.海外留学支援制度(日本学生支援機構)

独立行政法人の日本学生支援機構(JASSO)が海外留学を支援する制度です。文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」の一環としても位置づけられています。

いくつかの種類がありますが、ここでは「学部学位取得型」(大学を卒業して学位を取得する留学)の奨学金を紹介します。

対象 応募時に日本に在住し、高校等卒業後、海外にある大学で「学士号」を取得する課程に直接進学する者
奨学金額 月額約59,000円〜118,000円
授業料 上限250万円
支給人数 45人(2022年度の実績)
支援期間 原則4年間
募集期間 9月6日〜10月15日(2022年度)
審査内容 書類プラス面接
関連URL https://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_a/scholarship/gakubu

2-2.グルー・バンクロフト基金

アメリカのリベラルアーツ・カレッジへの留学を支援する奨学制度です。在日大使だったジョゼフ・グルー氏とエドガー・バンクロフト氏とにちなむもので、90年の歴史があります。

小規模で寮を備えた、良質のリベラルアーツ・カレッジへの留学を支援していること、卒業生とのネットワークが強いことが大きな特徴です。

対象 卒業見込みの高校3年生で、アメリカのリベラルアーツ・カレッジに進学する人
支給額 進学先によって異なる(授業料全額免除になる場合もある)
支給人数 10人(2021年度の実績)
支援期間 4年間
応募期間 8月15日〜9月14日(2023年度)
審査内容 書類、数学の筆記試験プラス面接
関連URL http://grew-bancroft.or.jp/

2-3.柳井正財団海外奨学金プログラム

ユニクロの柳井正氏が創設した財団が支給する奨学金です。アメリカとイギリスの一流大学への留学を支援しています。2021年度から学校推薦による公募も始まりました。奨学金制度の歴史は浅いものの、とても優秀な志望者たちがしのぎをけずる、「狭き門」としてよく知られています。

対象 日本の高校から英米の大学(基本的に財団が「対象校」とする大学)に進学する人
支給額 年間95,000ドルを上限として、大学から請求される授業料、寮費、保険料(年間上限80,000ドル)と学習・研究・生活支援金(年間15,000ドル)を支給(アメリカの場合)
支給人数 40人程度(英・米あわせて)
支援期間 4年間(アメリカの場合)
募集期間 2月上旬、学校推薦の場合は8月末
審査内容 書類プラス面接
関連URL https://www.yanaitadashi-foundation.or.jp/

2-4.内村鑑三スカラシップ

アメリカの「超」名門リベラルアーツ・カレッジであるアーモスト・カレッジ(アマースト ・カレッジ)への留学生を支援する奨学金です。

アーモスト・カレッジを卒業した新島㐮が創設した同志社大学が窓口となっていますが、この奨学金は同志社大生を対象としていません。2年に1度の募集で、しかも募集人数は1名という奨学金ですが、歴史と由緒のあるスカラシップ制度です。

対象 日本の大学3、4年生または卒業生で、アーモスト大学に2年間在学し、卒業する人
支給額 2年間の学費相当額(寮・食費も予定)
支給人数 1人
支援期間 2年間
募集期間 7月1日〜30日(2022年度)
審査内容 書類プラス面接
関連URL https://international.doshisha.ac.jp/scholarship/uchimura_scholarship.html

2-5.フリーマン奨学金

名門リベラルアーツ・カレッジであるウェズリアン大学の卒業生、マンスフィールド・フリーマン氏が創設した奨学金で、アジア11か国からそれぞれ1名の留学生に、ウェズリアン大学の学費を全額支援するものです。

対象 ウェズリアン大学に入学するまでに高校を卒業している人
支給額 学費全額
支給人数 1人
支援期間 卒業まで
募集期間 1月1日までに願書を提出
審査内容 書類プラス面接
関連URL https://www.wesleyan.edu/admission/afford-aid/freeman.html

3. アメリカの大学が支給する奨学金

次に、アメリカの大学が留学生に支給する奨学金について解説しましょう。

留学生がアメリカの大学から得られるのは、将来に返済しなければならない「貸与型」ではなくて、返済の必要がない「給付型」の奨学金です。

以下に、留学生でも対象となる奨学金とはどういうものなのか、代表的なものを4つのタイプに分けて解説しながら、奨学金を獲得する方法もあわせて考えてみたいと思います。

3-1. メリット型奨学金

メリット型奨学金(Merit-based Scholarship)とは、
・成績が優秀
・スポーツで活躍している
・芸術表現の実績がある
・ボランティアに率先して参加している
こういった出願者に与えられる奨学金です。ひとことでいえば、その大学が考える「すぐれた出願者」が得られる奨学金です。

この奨学金は、合格通知とともに、大学から提示されます。「年に12,000ドル」とか「年に8,000ドル」とかです。まれに、「卒業まで全額免除」と提示されることすらあります。もらえる金額は、大学に提示されるまではわかりません。

メリット型奨学金は、とくに「申請する」必要はありません。家庭の財政状況(年収や所得など)が問われることもありません。したがって、とくに「募集要項」といった条項があるわけでもありません。

この奨学金を得るためのポイントは、その大学に「奨学金を出しても、この学生を迎え入れたい」と思ってもらうこと。そのために、さまざまな出願書類を通じて、いかに自分が魅力的な出願者であるかを大学に効果的にアピールすることが大切です。

3-2.ニード型奨学金

ニード型奨学金(Need-based Scholarship)とは、学費を全額支払うのがむずかしい場合、不足分をまかなってくれる奨学金です。やはり大学から与えられるもので、返済は不要です。

この奨学金を得るためには、出願の際に「申請」することが必要です。この申請プロセスはなかなか複雑で、申請書類には家計の情報をこと細かに記さなければなりません。

とくに名門大学に出願するときに、このニード型の奨学金を申請することがよくありますが、申請することが合否に影響する場合もあります。どれだけの額を自己負担し、どれだけの額を奨学金でまかなってもらうか、この辺りの見きわめはなかなかむずかしいところです。

また世界的に見ると、日本の家庭は収入・所得が少ないわけではありません。開発途上国からの留学生と比べると、奨学金獲得においてはかえって不利になる面もあります。

3-3.在学生に与えられる奨学金

在学中にすぐれた成績を修めることで与えられる奨学金もあります。このタイプの奨学金は、大学のWEBサイトに記載されていないこともあり、知らなければ応募するチャンスを逃してしまう、といったこともあります。

ポイントはほぼ1つ、「よい成績をとること」。大学としては、「このままよい成績を修めて我が大学を卒業してほしい」という応援の意味をこめての奨学金です。奨学金をもらえるかどうかにかかわらず、よい成績を修めれば、将来の選択肢も広がります。大学院進学や就職のときにも、アメリカでは必ず成績が重視されますので、ぜひよい成績をとるように努めてください。

3-4.留学生だけに与えられる奨学金

キャンパスの国際化のために、「留学生だから」という理由で奨学金を出してくれる大学もあります。もちろん日本人学生も対象になります。大学の国際化に、留学生も貢献しているということで支給されるものです。アメリカの大学は、海外からの留学生をとても歓迎します。このタイプの奨学金は、「在学中に国際交流イベントにボランティアとして参加する」といった条件が付くこともあります。

また、先に紹介したウェズリアン大学のフリーマン奨学金のように、国ごとに選抜して奨学金を与える制度を設けている大学もあります。

こうした奨学金は倍率が高かったり申請期限が早かったりすることもあるので、できるだけ早めのリサーチが欠かせません。

4.留学生が返済不要の奨学金を得るために

アメリカの大学から返済不要の奨学金をもらうために、留学生としてできることを述べましょう。

4-1.大学に「来てほしい!」と思ってもらおう

まずは、めざす大学に「奨学金を出しても我が校に来てほしい」と思ってもらうこと。いかに魅力的な出願者であるかを、大学にしっかりアピールすることが何よりも大切です。

アメリカの大学には、一斉の入試がありません。在学中の高校・大学の成績、エッセー(作文)、推薦状、課外活動、面接、テスト(TOEFL®テストやIELTS™など)スコアなど、さまざまな要素を、さまざまな角度から審査して合否を決めます。

アメリカの大学に合格するためには、これらいろいろな書類を通じて、自己アピールすることが欠かせません。他の出願者とは異なる自分の魅力や個性を伝えるのです。エッセーの内容が奨学金の額に影響することもめずらしくありません。

4-2.奨学金を出してくれそうな大学を選ぼう

アメリカで、留学生にも奨学金を出してくれる見込みが高い大学とは、 ・ハーバードなどの超名門私立大学 ・私立大学(州立ではなく) です。

逆に、留学生になかなか奨学金を出してくれないのが、
・人気が高い大規模私立大学(ボストン大学やニューヨーク大学など)
・州立大学(UCLAやUCバークレーなど)
・コミュニティ・カレッジ(二年制の公立大学)
などです。

もちろん例外もあります。ニューヨーク州立大学(SUNY)は、州立大学ではありますが、キャンパスによっては留学生にも奨学金を出してくれます。

また大学院の修士課程は、なかなか留学生に奨学金を出してくれません。博士課程は、教授の助手などを務めることになるので、学費は基本的に全額免除です(プラスお小遣いも支給してくれます)。

4-3.奨学金の額を「交渉」してみよう

びっくりするかもしれませんが、奨学金の額については、大学との交渉の余地があります。

必ずしも功を奏すわけではありませんが、「きっと入学するので、もう少し出してほしい」「別の大学からより多額の奨学金を提示されているが、貴大学からもう少し奨学金をもらえるならば、貴大学に行きたいと思う」といった内容を伝えると、奨学金の額がアップすることもあります。

ただ交渉術というのは、それほど簡単なものではありません。合格が取り消されてしまっては元も子もないので、よく気をつけましょう。

5.留学生が狙うべき奨学金は、「貸与型」ではなく「給付型」

さて、日本で教育ローンを組んで、アメリカの大学に留学する人がいます。お金に対する考えかたは人それぞれですので、それ自体が悪いわけではありませんが、大学を卒業する時点で借金を抱えることが、果たして本当に望ましいことなのかどうか、よく考えてほしいと思います。教育ローンの利子だけでも、小さな額ではありません。

アメリカの大学から給付型の奨学金をもらえる可能性も小さくありませんし、留学費用の節約方法もたくさんあります。

お金がないから教育ローンを組む、と決める前に、借金せずに海外留学を実現する道を前向きに探してみてください。

6.まとめ

以上、留学生が得られる奨学金について解説しました。なお一般的には奨学金がカバーするのは「学費」です。寮・食費については奨学金でまかなわれることはそんなにありません(在学中に寮長のアシスタントを務めることで寮費が無料になることはあります)。

栄 陽子留学研究所では、ここ数年、大学に入学・編入する人はほぼ全員の留学生が奨学金を獲得できています。カウンセラーたちも、奨学金獲得のコツを熟知しています。留学生でも給付型の奨学金を得られるのは事実ですが、やはり、それなりの傾向と対策というものがあります。

奨学金を獲得してアメリカの大学に留学したいという人は、実績豊富な私たち栄 陽子留学研究所に、まずは一度ご相談ください。

アメリカ留学の準備と手続きを知る

留学実現までにすべきこと

自分で準備? サポートは必要?

留学を実現するには、どんな準備を、どんな手順で進めればいいのか。
合格から卒業までを個別にサポートする「アメリカ進学プログラム」を紹介します。

アメリカ進学プログラムの一部

  • 留学までのスケジュール管理
  • 志望校の選択
  • 推薦状・エッセーの指導
  • 費用に合った学校選び
  • 奨学金についての指導
  • 授業対策
  • 出願書類作成
  • 合格後の手続、入寮準備
  • 渡航手続
  • 現地での準備セミナー
  • ボストンでのアフターケア

アメリカ進学プログラム

大学留学 コンテンツ一覧

アメリカ留学についてお悩みのかたは
お気軽にご相談ください

アメリカ留学についてわかりやすく解説
した資料と当研究所のパンフレットを
お送りします。

資料請求

カウンセラーに個別にご相談
したいかたはこちら

留学相談

アメリカ留学のことが1日でわかる
講演会(無料)へのご参加はこちら

留学講演会

その他、どんなことでも
お気軽にご相談ください

お問い合わせ